さて、久しぶりの新規オープンのホール紹介です。
今回は台風13号とすれ違いながら訪問した沖縄のホールを2館、ご紹介しましょう。
台風一過の沖縄はドピーカンの快晴、まだまだ夏の日差しでした。

浦添市てだこホール

取材日:2008年9月19日
訪問先:浦添市てだこホール
浦添市役所近く、美術館も在る文化ゾーンに新しく建てられた「浦添市てだこホール」をご紹介いたします。「てだこ」とは「太陽の王様」の意味だそうです。


ホール案内板

館長の比嘉様にご挨拶後、指定管理共同企業体「ティダ・コミュニケーションズ&リレーションズ」所属、「浦添市てだこホール」の総務企画チーフの古勝様に案内いただきました。

この施設全体の構成を教えてください。
施設構成は大ホール、小ホール、市民交流室、生涯学習施設などです。
大ホールと小ホールは裏通路で繋がっていて、出演者の動線がうまく確保されています。この裏通路、舞踊大会など出演者が百人を超えるような場合には仮設楽屋にも使用されるほど十分なスペースを有しています。

ドーム天井が印象的な客席数1001席の大ホールは昨年4月のオープン以来、コンサートや沖縄舞踊など昼夜2種類の公演を含めるとなんと稼働率は100%を超える勢いだそうです。

外観写真はシーサーが目を引く大ホールの外壁です。このシーサー、夜公演が有る日はバックライトで光るとの事です。


手前が大ホール、奥が小ホール

そして客席数300席の小ホールは演劇や音楽など、舞台芸術育成・創造活動成果発表の場として今年6月にオープンしました。


ホールへのアプローチ階段 上りきって右が大ホール、左が小ホール



小ホールエントランス


すり鉢状に配置されたブルーのハイバックシート客席は、上質のゆったりとした空間を創り出しています。

ゆったりとした客席

この小ホールの特徴を教えてください。
第一の特徴はとにかく音が良い事。コンクリート打ち放しの壁面に反射板と吸音体が上手く配置され、「沖縄古典音楽」での視聴会や「トロンボーンとピアノのコンサート」でもプロは勿論、一般観客の反応は非常に良かったです。

良い跳ね返り音を創り出している反射壁

第二の特徴は舞台面と客席面を同一高さにセットできることです。 写真中央の客席部は迫り装置になっていて、客席を撤去すれば、その床面は客席最前列=舞台面と同じ高さになり客席との一体感を演出できます。 ピアノ発表会やアコースティック系に加え、客席と舞台の一体感を生かしストリートダンスやお笑いなどのパフォーマンスも人気です。

この中央客席部が迫り機構となっている



又、客席中央に設けられて出入り口は観客用では無く、出演者が登場するための演出用なので、
ホールの多様性を十分に発揮できます。


迫り上の舞台前客席を撤去し、迫りをアップすれば客席と同面となる

大ホールと小ホールの開館は同時では無かったのですね。
小ホールの開館は大ホールの約1年後となりましたが、予定通りの工程です。
大ホール開館後の工夫点が工事中の小ホールに生かされています。
又、このホールには照明卓なども最新機種が導入されています。オペレーターの研修にも役立っています。


さわやかな印象の緞帳


この小ホールは今後、ますますその特徴を活かした素晴らしい空間を提供していくでしょう。

取材のご協力、有難うございました。

浦添劇場データシート
1 劇場名浦添市てだこホール (小ホール)
住所〒901-2103 沖縄県浦添市仲間1-9-3
TEL098-942-4360
2 開館2008年6月 (小ホール)
3 設計 
設計事務所てだこ交流文化センターJV事務所
 コンサルタント(有)空間創造研究所
4 施工 
舞台機構三精輸送機株式会社
音響不二音響株式会社
照明松下電工株式会社
5 客席数300席(親子席 3席)
6 舞台データ 
主舞台寸法PAW 14.4m x 奥行き10.3m
プロセ高さ7.2m
すのこ高さ舞台面+14.5m
7 装置データ 
吊物機構緞 帳:1台(Max.60m/min. CW)
暗転幕:1台(手動CW)
スクリーン:1台(10m/min. DM)
美術バトン:16台(手動CW 袖幕、引割幕対応)
ライトバトン:4台(10m/min. DM)
大黒幕:1台(手動CW)
ホリゾント幕:1台(手動CW)
東西幕:上手/下手(固定)
床機構前舞台迫り:1台(1m/min. スパイラ方式)
8 ホール特徴床機構により客席と舞台が一体化出来る、
画期的な芸術創造活動スペース
ゆったりとした客席空間と音響効果の良さ
9 ホームページhttp://www.tedakohall.jp/