さて、今回のテーマ「音響反射板」ですが、
読んで字の如く「音響」を「反射」させる「板」です。

郷の音ホール 音響反射板セット時
~郷の音ホール 小ホール エンドステージ形式~
(「郷の音ホール」ウェブサイトよりお借りしました)

上の画像のどの部分かと申しますと、
ピアノのある舞台の周囲に、上部が白・下部が茶(木目)、となっている壁面があります。
この側壁2面と後面の3面+舞台天井部分が小ホールの「音響反射板」です。
「音響反射板」によって、舞台と客席が一体となった空間に変わります。
「ああ、これね、見る見る!」という方も多いのではないでしょうか。

コンサートなどを行う際に、
舞台で演奏される音をお客さまの方向に響かせるために、
「音響反射板」によって、側面・後面・上面を塞いでしまい、
一時的にコンサートホールのようなエンドステージ形式に変えてしまうのです。

演劇などでは俳優が出入りするために舞台袖に通じている必要がありますし、
バレエなどでは背景を変化させるために背景幕を何枚も吊ることがあります。

ですので、多目的に利用する場合、
基本仕様で側面・後面・上面を塞いでしまうと、
演劇などが上演できなくなってしまいます。

コンサートでは様々な場所から演奏者が頻繁に出入りすることがありませんし、
演奏によって背景を変えたり特別な演出をする必要はありませんので、
コンサートの時は音の響きを最優先して、
このようなステージ形式に変化させるのです。

さて、前回に引き続き「郷の音ホール」小ホールの舞台機構仕様を見てみたいと思いますが、
「舞台特殊設備」の部分に、以下のような記述があります。
(郷の音ホールサイトホールガイド→小ホール)

  ●音響反射板
   天井反射板及び正面反射板、舞台後部より迫出し
   側面反射板、舞台袖に吊込み

天井反射板とは舞台上面、正面反射板とは舞台後面のことですが、
それらは舞台後部より迫り出す形でセッティングされること、
また、側面反射板とは舞台側面のものですが、
舞台袖に吊込まれていること、が書かれています。

文章だけでは多少分かりにくいと思いますので、
収納時の画像をご紹介いたします。
舞台に立って下手側(左側)を向いている写真で、写真右が観客席です。

郷の音ホール 音響反射板収納時

写真左にあるフレーム構造物が天井反射板及び正面反射板です。
これを舞台前方向に迫り出すことによって、天井と舞台後面がセッティングされます。

写真センター上部に吊り上げられている構造物(上部白+下部茶(木目))が側面反射板です。
これは吊物ですので、床ぎりぎりまで下降させることでセッティングされます。

前回は「可動プロセニアム」について、
今回は「音響反射板」について、
おおまかにご紹介いたしましたが、
このように多目的ホールというのは、
用途に応じてその形状を変化させるため、
様々な舞台機構が設置されています。

また、同じ機能を有する舞台機構であっても、
その目的・設置条件等によって様々な稼動方式があり、
劇場・ホールによって多種多様な組み合わせがなされています。

このように多目的ホールの舞台機構とはなかなか面白いものなのですが、
次回からはそのあたりもふまえながら「郷の音ホール」大ホールをご紹介したいと思います。

三田市総合文化センター「郷の音ホール」 : http://sanda-bunka.jp/
※関係者のみなさま、取材協力・画像掲載許可をいただきありがとうございました。

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