この昭和音楽大学のご紹介も第5回となりました。
「テアトロ ジーリオ ショウワ」の魅力は伝わっていますでしょうか?

さて、今回も「吊物機構」をご紹介しますが、
その前に舞台上部構造を簡単に説明したいと思います。

みなさんが見ている舞台は、
「テアトロ ジーリオ ショウワ」では、
プロセニアム間口幅16.2m×プロセニアム間口高さ11mの部分です。
「プロセニアム・アーチ(proscenium arch)」(英語)とは、
舞台と客席の境界にある構造物のことで、
いわゆる額縁舞台のことを指します。
「テアトロ ジーリオ ショウワ」の客席から見ると、
幅16.2m×高さ11mで区切られた大きな額縁の中に舞台空間が納まっています。

さて、舞台空間の上部はどうなっているのでしょうか?

大きな劇場には「スノコ」と呼ばれる場所があります。
「テアトロ ジーリオ ショウワ」の「スノコ」はこんな風景です。

昭和音楽大学 スノコ

写真を見ていただければわかりますが、
床がまさに「スノコ」状になっており、
スノコ溝部分の細長い穴から空間いっぱいにワイヤーが張りめぐらされています。
「スノコ」とは「吊物機構」の終端部なのです。

「テアトロ ジーリオ ショウワ」における「スノコ」は、
なんと舞台から24m(8階建ビル相当!)の高さにあります。
つまり、お客様から見える部分の高さ11mの上に「スノコ」まで13mの空間が広がっています。
なんと、舞台上にもうひとつ舞台が存在しているような、そんな構造になっているのです。

さて、舞台面から上部空間に移動していきましょう。

昭和音楽大学 舞台面
→舞台面より撮影

昭和音楽大学 舞台上10m
→舞台面よりおよそ11mの高さより撮影

昭和音楽大学 舞台上17m
→舞台面よりおよそ17mの高さより撮影

昭和音楽大学 スノコ
→舞台面よりおよそ24mの高さの「スノコ」に到着

写真でもお分かりいただけるかと思いますが、
細長い穴から24m下の舞台が見えまして、
これまでにも経験があるものの、やっぱり怖いです!
けれど舞台関係者の方々は、スイスイ歩いていきます。
「24mですよ、みなさん!」と思いながら、ひとりこわごわ歩く私でした。

さて、昭和音楽大学には、美術バトンが45本あり、
さまざまな舞台演出が可能となっています。

昭和音楽大学 バトン

昭和音楽大学 バトン

画像は美術バトンを一斉に降ろした様子です。
普段見ることのできない「劇場」の新たな一面ではないでしょうか?

これだけの美術バトンがあっても、
さらにビックリすることに、移動点吊装置というものが導入されています。

点吊装置(一点吊装置)とは、1点で大道具などを昇降させる装置のことで、
例えばバトンのない位置(またはすでに別用途で使用しているバトンの位置)に大道具を吊ったり、
複数を組み合わせて大道具を斜めに吊るような場合に使用されます。

昭和音楽大学 点吊装置

この「テアトロ ジーリオ ショウワ」の移動点吊装置ですが、
アムステルダムのトレックワーク社より輸入されたもので、
作業員一人でも簡単に移動・設置できるというたいへんコンパクトな製品です。

また、下の写真のように、舞台面とスノコ面が対応した位置がわかるようになっており、
舞台装置のセッティングが簡単にできるよう、たいへん工夫されています。

昭和音楽大学 バトン  昭和音楽大学 バトン
          (舞台面)                     (スノコ面)

これは、舞台裏に秘められた、たくさんの工夫の一端です。
舞台関係者のみなさんが、苦労を工夫重ねてこられた結果、
この素晴らしい劇場が誕生したのだなとあらためて感じます。

今後も舞台裏の面白さをお伝えできればと思いますので、
SSCブログステージ学習室とも、ご覧頂ければと思います。

次回はさらに舞台裏の秘密をご紹介いたします。
なかなか見ることのできない劇場の裏側を是非ともごらんくださいませ。

※昭和音楽大学及び関係者のみなさま、
 写真撮影・掲載許可をいただきありがとうございました。

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